気分障害とは?
うつ病は気分障害のひとつとして分類される精神疾患です。特徴としては、抑うつ気分や精神活動の低下、不安・焦燥、食欲低下、不眠などがあります。
脳の機能的・器質的な障害によって引き起こされる疾患を精神疾患と言います。中等症、軽症のものには神経症、パニック障害、適応障害があり、重篤なものには統合失調症や躁うつ病などがあります。このような精神的な変調から内分泌疾患などの身体疾患を引き起こすこともあります。
DSM−IV−TRといわれる米国精神医学会の診断基準では、うつ病は「大うつ病」:major depressionと呼ばれています。従来まで、うつ病は「心(精神)の病」とされてきました。
しかし最近の研究によると「脳」の疾患であるととらえられ、脳内に不足しているドーパミン、ノルアドレナリン、セトロニンなどの脳内物質の分泌を促進させることで症状を改善させるという、薬物療法が治療の主流を占めるようになってきています。
女性のほうが、うつ病の罹患率としては男性よりも罹患しやすいとされています。うつ病は、さほど生活に支障をきたさない程度の軽症のものもある一方で、自殺企画するほど重症のもあります。
また、うつ状態を示してはいても、それがうつ病であるとは必ずしも言い切れないこともあります。
身内の喪失などの一過性の心理的なストレスに起因するものや、統合失調症など他の疾患の症状との合併症としてうつ状態を示すもの、あるいは季節的な変化などのうつ状態のうち、うつ病として扱われるためには、「2週間以上にわたり毎日続き、生活の機能障害を呈している」というある程度重度の状態を呈すことが診断の条件とされています。