仮面うつ病とは?躁うつ病って?

箱庭療法の行い方



先ほどの記事でも書きましたが、うつ病を発病する子ども(12歳未満の児童期と12歳〜17歳までの思春期の子どもたち)が、近年増えているなか、三環系抗うつ薬の投薬治療に並行して重視され、またその成果が期待されているのが箱庭療法や遊戯療法などに代表される心理療法です。

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前回は箱庭療法そのものについての説明でしたが、ここでは箱庭療法の具体的な手順について説明していきます。

箱庭療法に用いられるのは、箱庭療法と言われているとおり、箱(縦57cm×横72cm×高さ7cm)です。
この箱のなかには砂が入っており、箱庭療法を行う部屋にはセラピストが用意したさまざまな道具類(おもちゃなど)があります。ミニチュアのおもちゃ(さまざまな建物、動物、人、木、乗り物など)や、ビー玉、石、貝殻、その他怖い怪獣などがあることもあります。カウンセラーが見守るなか、クライエントはこれらのたくさんの種類の道具を使って、箱のなかに自由に自分が表現したい「何か」を作っていきます。

カウンセラーは、こうして子どもが作り出来上がった箱庭が伝えるメッセージ、箱庭の変化などを、クライエントの内的世界(心の中の世界)を知る1つの手がかりとしていくのです。


箱庭を作ることは、カウンセラーにとっては、解釈の手がかりとなる一方、子どもであるクライエントにとっては自分を表現できる自己表現療法となり、自分で自分を治療する「自己治癒力」としての働きを担うとされています。

クライエントは、部屋に用意されたさまざまなおもちゃなどを見回して、そのなかから自分の世界を表現するのに1番いいと思われるものを選びます。

たとえば、まず砂の上に貝殻を置き、葉っぱで飾る、さらにその上に草花を一面に並べる、という行動をとるとき、最初の貝殻は死・抑うつ・無気力、死んだ世界を表し、その上を覆う花々は、きらびやかな外見の姿を示すとされます。この場合はその落差の違いにより、表面と内面の落差を示していると解釈されます。

このような箱庭療法は普通1度で終わりではありません。何度か繰り返され、ゆっくりとその回復を促していくことになります。


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