仮面うつ病とは?躁うつ病って?

抗うつ薬使用の注意点は?



先ほどの記事にも書きましたが、古い世代の抗うつ薬である、三環系抗うつ薬や四環系抗うつ薬と比べ、新しい世代の抗うつ薬であるSSRIやSNRIでは、古い世代の副作用である排尿困難や眠気といった副作用が軽減されてきたとはいえ、吐き気や性欲減退などの副作用があることも確かです。

しかし副作用以外にも、抗うつ薬を用いる際に注意すべきことがいくつかあります。

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自殺の危険性


抗うつ薬、とりわけSSRIの処方を開始した直後に、自殺のリスクが、未遂も含め高まるという報告があります。なぜそうなるかは、はっきりわかっておらず、いろいろな説があります。

それまであまりにも重症で自殺の意欲すらなかった患者が薬によって意欲がわき、自殺を図ろうと思ってしまう、という説、あるいはSSRIが受容体のダウンレギュレーションを行うことより、処方の開始直後に一時的ではあるがうつ病の症状が悪化する、という説などがあります。

躁状態の惹起


うつ状態の患者に抗うつ薬を投薬すると、うつ状態を通り越し、躁状態になるというものです。これは疫学上の反証があるのですが、経験的に知られている事実です。

そのほか、抗うつ薬を服用すると気持ちが明るくなるということで、うつ病でない一般の人が、抗うつ薬を「ハッピードラッグ」として服用する例が近年、増加しています。前向きに生きる姿勢を促すことを目的としてのことでしょうが、抗うつ薬の作用は非常に複雑であり、場合によっては本人に深刻な副作用をもたらすこともあります。


自己判断の安易な服用は、脳の機能に重大な変調をもたらす危険もありますので必ず、専門医の判断に基づいた処方が不可欠となります。
うつ病の治療の中でも、特に内因性うつ病の場合は、その症状(重症度)にかかわらず投薬治療が行われるのが一般的ですが、場合により抗うつ薬を用いない治療法もあります。特に、軽症の場合などは、抗うつ剤を用いずカウンセリングといった精神療法のみが用いられることもあります。


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