仮面うつ病とは?躁うつ病って?

うつ病の身体的症状について



アメリカの操作的診断基準である、DSM−IV−TR(精神疾患の分類と診断の手引き)によりますと、うつ病と診断されるためには、以下の2つの精神的な症状を挙げています。この二つとも見られなければならない必須とされる精神的な症状です。

1つ目は「抑うつ気分」
2つ目は「興味・喜びの喪失」
の2つです。

うつ病は心の病とされていますが、実際、うつ病の場合、このような精神症状のみならず「身体的な症状」も見られます。例として、
「食欲」
「体重」
「睡眠」
「身体的活動性」
の4つの領域で、著しい減少または増加が生じることがあります。

「食欲がなく体重も減り、おまけに眠れなくて、いらいらしてじっとしていられない」
あるいは反対の症状として
「変に食欲が出て食べ過ぎになり、いつも眠たくて寝てばかりいて、体を動かせない」
という訴えとして現れるのです。

先ほど挙げましたアメリカのDSM−IV−TR(精神疾患の分類と診断の手引き)では、先の主な2つの精神症状のいずれかひとつと、これらの身体的症状4つのあわせて5つの症状が「死別反応(大切な人との死による別れ)ではないもので、2週間以上にわたり連日続いていて、生活の機能障害を呈している」ことが、大うつ病の診断の条件としています。

うつ病とまではいかないまでの状態の、うつ状態は比較的多数見受けられますが、そのような状態がある程度の重症度・連続度を呈すると、うつ病および大うつ病という診断になるのです。


ただ、DSM−IV−TR(精神疾患の分類と診断の手引き)の症状のみで判断するのは、科学的・客観的で、研究には適しているといえますが、臨床場面では、ストレスなどの心理的誘引の評価も不可欠です。むしろ返ってこちらのほうが治療的には重要な判断となるといわれています。


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